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物流DXとは?物流業界が抱える課題やDX事例を徹底解説

多くの問題を抱える物流業界では、現在DX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れた改革が進められています。

今回の記事では、「物流DXとは」「物流DXの現状と課題」「物流DXによって実現できること」などについて詳しく解説していきます。

実際に、物流DXを導入した企業の取り組みについても紹介していますので、物流業界のDX化に興味がある人は参考にしてみてください。

物流業界の課題と向き合う「物流DX」とは?

物流DXとは、機械化・デジタル化を通じて、物流のこれまでのあり方を変革することを指します。

物流業界は今、いくつもの深刻な課題を抱えています。

EC市場が拡大を続けるなか、物流の必要性は年々高まっており、課題解決のためにDXの推進が求められているのです。

国土交通省では特に、「物流分野の機械化」「物流のデジタル化」のふたつを物流DXの大きな目的として捉えています。

具体的には、トラックの隊列走行やドローン配送を取り入れたコストを抑制した自動化、伝票業務の電子化や配車管理のデジタル化などの業務の効率化があげられます。

物流業界で推進すべきDXの取り組みは、川上から川下までのオペレーション改善や働き方改革など、幅広く求められているのです。

物流DXの現状と課題

物流業界は、近年深刻な労働力不足となっています。

さらに新型コロナウイルスの感染拡大によるEC市場の急拡大もあり、宅配便の需要は右肩上がりです。

なぜ物流DXが急務となっているのか、それぞれの課題について解説していきます。

物流DXの現状と課題①トラックの積載効率の低下

EC市場の拡大による、個人宅への配送増加は、トラックの積載効率低下を招いています。

トラックには最大積載量が設定されていますが、最大積載量に対してどのくらいの荷物を運んだのかを算出したものが積載率です。

単純に、最大まで積めば100%、何も載せなければ0%となります。

ネット通販の普及により、小口の宅配貨物は1.5倍に増えました。

貨物数は増えているにもかかわらず、小口であるため積載効率は下がっており、2020年度の営業用トラックの積載率は、約38%にまで落ち込んでいます。

トラックの積載効率低下は、企業の利益減となるだけでなく、排気ガスの排出問題などにも影響を与えるため、なるべく最適化することが必要なのです。

物流DXの現状と課題②再配達による非効率化

個人宅への配送が増えたことで、再配達による業務効率の悪化が顕著になっています。

国土交通省のサンプル調査によると、2022年10月の宅配便再配達率は約11.8%、調査を開始した2017年の15.5%よりは減少しているものの、いまだ高い再配達率といえるでしょう。

CO2排出量の増加やドライバーの長時間労働など、再配達による非効率化は、物流業界の深刻な課題のひとつです。

物流DXの現状と課題③EC利用急増に伴う商品管理の複雑化

物流業界で急成長を遂げているEC物流は、数多くの課題を抱えていると言われています。

そのひとつが商品管理の複雑化です。

EC物流で扱うアイテムは数多く、倉庫内の管理スペースが細分化されます。

サイズやカラー展開が豊富なアイテムでは、ピッキング作業も難しくなり、手間やコスト増が深刻です。

また一般消費者向けのEC物流では、ひとつのミスが与える影響が大きくなってしまうといった課題もあります。

注文者に誤った商品が届いたり、あて先を間違えたことによる個人情報の流出などの問題も考えられ、より発送業務を慎重に進める必要があるのです。

物流DXの現状と課題④配送ドライバーなどの人手不足

物流業界では、配送ドライバーなどの人手不足に拍車がかかっています。

物流業界の労働時間は、全産業の平均労働時間より2割長く、年間賃金は全産業平均より1割~2割ほど低いのが現状です。

こうしたことから、ドライバーの職に就く若い世代の減少、現存しているドライバーの高年齢化が進んでいます。

また、働き方改革における時間外労働の問題、いわゆる「2024年問題」が与える影響は甚大です。

「2024年問題」とは、2024年4月から配送ドライバーの時間外労働の上限規制が設けられ、ドライバーの労働時間が短くなります。

今よりもっと人手不足が心配されており、「必要な時にモノが届かない」「宅配サービスの当日・翌日発送が難しくなる」「生鮮食材が手に入りにくくなる」など、今までの物流サービスが受けられなくなる可能性も指摘されています。

物流DXの現状と課題⑤燃料などのコスト高騰

近年、ガソリンなどの燃料価格が大幅に高騰しています。

燃料価格の高騰は、物流業界の経営悪化に直結します。

トラック運送業界では「燃料価格が1円上がると、業界全体で約150億円負担が増す」と言われており、近年における急激な燃料価格高騰は、かなり経営を圧迫しているのです。

物流DXによって実現できること

配送ドライバーなど人手不足、複雑な商品管理、非効率な再配達など、多くの課題が山積する物流業界ですが、DX化を実現することでどのような改善が期待できるのでしょうか。

具体的に解説していきます。

物流DXで実現①倉庫の空きスペース最適化

初めに、物流DXの導入によって倉庫管理の効率化が図れます。

今までは人の手によって在庫管理してきたものを、DXの導入によって一括管理が可能となり、空きスペースを最適化し、倉庫内の稼働率を上げることが可能です。

物流DXで実現②商品管理のデジタル化

商品管理のデジタル化は、入出庫作業や検品作業を短時間で行えるようになります。

バーコードやICタグによる在庫管理は、入力工数を減らすだけでなく、入力間違いなど人の手によるミスを減らすことにもつながります。

またDXで管理されたデータは、出荷時などにも活用が可能です。

自動認識技術「RFID」は、ICタグの情報を非接触で読み取り、集めたデータをクラウド上で管理・活用できるようになります。

物流DXで実現③業務の自動化

人手不足に悩む物流業界では、DX化することで業務を自動化することが可能です。

例えば、AGV(自動搬送ロボット)で倉庫内の商品移動することで、ピッキング業務の負担軽減を図れます。

ほかにも、従来は人の手によって配車業務を行っていましたが、受発注システムをクラウド上に構築し、配車業務を自動化することで、配車がスピーディーとなり、繁忙期のオーバーブッキング防止につなげられます。

物流DXで実現④顧客情報や配送情報のデータ化

顧客情報や配送情報のデータ化は、再配達削減に役立つデータです。

例えば、過去の配送履歴や顧客の不在情報をデータとして取り込めば、次回の配送時の再配達を避けるために役立てられます。

また発送時に顧客データを利用することで、誤発送防止につながり、第三者へ個人情報が洩れるのを防ぐことができます。

物流DXで実現⑤配送の効率化

物流DXは配送の効率化を図ることもできます。

多くの業界でAIやIoTなどデジタル技術が活用されていますが、物流業界でも利用可能です。

例えば、動態管理システムと配線管理システムを連携させることで、運送車両の現在地や配達状況を即座に確認することができ、管理者が速やかに配送ルートを指示することが可能になります。

またAIによるデータ分析を導入すれば、天候や工事・事故などによる道路情報に合わせた最適ルートを割り出し、効率よい配送につながります。

物流DXで実現⑥労働環境の改善

配送ドライバーや倉庫内作業員など、従業員の労働時間を可視化するシステムの導入は、労働環境の改善につなげられます。

システムの導入で、長時間労働や負荷が集中している従業員の把握などが可能になり、労働環境改善につなげることが可能です。

物流業界の課題解決・物流DXの事例

実際に物流DXを導入している企業を、事例を交えながら紹介していきます。

物流DX導入企業①株式会社日立物流

株式会社日立物流は、3PL(ロジスティクス機能を担う物流業務)を中心に成長を遂げている企業です。

顧客価値や社会価値につながる新しいビジネスモデルを、DXで創出しています。

具体的には、長時間労働や健康状態に問題のない場合でも起こり得る漫然運転を予防するシステム(「SSCV-Safety」)の開発・導入に取り組みました。

実際「SSCV-Safety」の導入により、漫然運転に起因する事故をゼロにし、重大な事故発生の一歩手前であるヒヤリハット件数も、94%減少という効果を上げています。

安全運転を徹底することで、エコドライブにつながり、燃費向上、車両整備費の削減など、コストダウンにもつながっています。

物流DX導入企業②日本郵船株式会社

日本郵船株式会社は、AIを用いて100隻を超える自動車専用の輸送船運航スケジュールを最適化し、安全で効率のよい船舶運航を実現させました。

具体的には、毎時の詳細な運航状況や燃費データを船上と陸上で共有し、最適な運航かつ省エネ運航に役立てています。

ほかにも船内作業における2,000ものチェック項目をデジタル化、タブレットに入力することで異常検知などを判断できるようにし、乗組員の負担軽減に努めています。

物流DX導入企業③SGホールディングス株式会社

SGホールディングス株式会社は、ベンチャー企業や異業種といったパートナーアライアンスと連携を図り、物流 × ITのシステム構築を行っています。

取り組みひとつ目は、宅配便では運べない大型荷物や特殊貨物の輸送など、荷物とドライバーをマッチングするTMSプラットフォームを構築し、あらゆる「運ぶ」の総合プロデュースを展開していくDXです。

次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」では、自動棚搬送ロボットやロボットストレージシステムを導入、約50%の省人化を実現し、人手不足解消といった課題解決につなげています。

ほかにも、伝票情報デジタル化とAIによる配送ルート最適化は、倉庫内業務の効率化だけでなく、新人ドライバーの負担軽減やドライバー不足の解消が期待される取り組みです。

物流DX導入企業④ヤマトホールディングス株式会社

宅配大手のヤマト運輸を傘下に持つヤマトホールディングス株式会社は、DXを積極的に取り入れている企業です。

そのひとつが「ECエコシステムの確立」です。

ヤマト運輸はECサイトで商品を購入した際の個人宅配を多く取り扱っています。

そこで個人間取引の宅配サービス「EAZY」を導入し、購入者が受け取り方法を自由に選べるサービスを展開しています。

受け取り方法は「対面」のほか、「玄関前」「メーターボックス」「車庫」など置き配もあり、荷物が届く直前まで受け取り方法の変更が可能です。

利用者の受け取り要望に対応したDX化は、顧客満足度をアップさせるだけでなく、再配達などドライバーの負担軽減にもつながっています。

物流DX導入企業⑤日本通運株式会社

日本通運株式会社では、社内向け業務システムの開発・保守に着手し、手入力で行っていた業務日報の入力業務のデジタル化に成功しました。

従来、ドライバーの運転日報やアルバイトの勤務日報は、本人が紙に手書きで記入し、それを受け取った事務系社員がExcelに毎日手入力するといった作業が取られていました。

運転日報の受け取りが翌日になることも多く、月末〆作業では「間に合わない」「誤入力が増える」といったことが問題だったのです。

そこでAI-OCRによる自動読取を活用し、自分たちでデータ化する「DX Suite」を導入。

年間6万時間弱の事務作業を削減することができ、ヒューマンエラーによる入力ミスの低減、業務フローの見直しにつながりました。

物流DX化をご検討の方はMabuhayTechへ

MABUHAYTECH

多くの問題を抱える物流業界では、DX改革が急務となっています。

近年、EC市場は急成長しており、今後ますます物流の必要性は高まっていくことは確実です。

しかしながらドライバー不足、積載効率の低下、再配達による負担増など、目の前には課題が山積しています。

また、いわゆる「2024年問題」と言われる、配送ドライバー時間外労働の上限規制は、さらに事態を深刻化させていくと考えられています。

そこでDXを導入し、「倉庫の空きスペース最適化による倉庫稼働率のアップ」「商品管理のデジタル化」「業務の自動化」「配送の効率化」などを実現し、物流業界の課題解決や労働環境改善につなげていくことが求められているのです。

MabuhayTechでは、物流DXの取り組みサポートを行っています。

DXへの取り組みは、さまざまな業界で進められていますが、今の日本国内には圧倒的にデジタル人材が不足している現状です。

MabuhayTechは、オフショア開発国として成長著しいフィリピンに拠点を構える会社です。

フィリピンでは国を挙げてデジタル人材育成に取り組んでおり、優秀なITエンジニアがたくさんいます。

フィリピンの優秀なITエンジニアと日本企業を結び付け、日本でのDX推進を後押しするのが我々MabuhayTechの役目です。

2024年問題を抱える物流業界は、DX化が待ったなしの状況です。

今後、企業が生き残っていくためにも、ぜひ一度DXについてご相談ください。

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